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HubSpot Fall Spotlight 2025 アップデートで何が変わる?注目の最新機能を解説!

HubSpot Fall Spotlight 2025 アップデートで何が変わる?注目の最新機能を解説!

INBOUND 2025 にて公開された HubSpot Fall Spotlight では、200製品以上のアップデートが発表されました。この大規模な改善は、HubSpotが提唱する「人間とAIのハイブリッド」の働き方を実現するものです。本記事では、今回アップデートで新しくローンチされた主な機能を紹介し、導入後の具体的な活用方法について解説していきます。

Breeze:Assistant & Agents

Breeze Agentsは、カスタマープラットフォーム上に統合されたデータを活用し、コンテキストを理解しながら的確に業務を遂行するAIエージェントの総称です。単なる作業支援ツールではなく、人間のチームメンバーと同様に自律的に判断し、行動するデジタル従業員として機能します。従来のBreeze Copilotから大幅に機能強化されたBreeze Assistantは、チャット形式でユーザーを支援するアシスタント機能として、ウェブ検索、メモリー登録、ファイルアップロード、Google WorkspaceやSlackとの連携機能が追加搭載されました。

顧客対応エージェント:24時間のフロントオフィスAIコンシェルジュ

Breeze 顧客対応エージェントのスクリーンショット
出典:HubSpot

顧客からの問い合わせに24時間年中無休で自動対応し、カスタマーサポートチームを補佐します。すでに導入している企業では、サポートチケットの50%以上が顧客対応エージェントによって解決され、チケットのクローズにかかる時間が40%近く短縮されています。

主な機能

  • Multi-channel Support: チャット・メール・WhatsApp・音声対応
  • 24/7 Availability: 24時間年中無休の自動対応
  • Knowledge Base Integration: 承認済みソースからの根拠付き回答
  • Smart Escalation: 適切な担当者への自動エスカレーション

Breeze マーケットプレイス & スタジオ:AIエージェント管理の中央司令部

Breezeマーケットプレイス:エージェントやカスタムアシスタントの検索、閲覧、構築、インストールが行える場所。

Breezeスタジオ:HubSpotで開発されたエージェントやカスタムアシスタントを管理したり、固有のビジネスニーズに合わせてカスタマイズしたりできる場所。

エージェントとアシスタントの検索、閲覧、インストールが可能な管理センターとして、用途別のエージェント・アシスタントをカタログ導入できます。アプリストアのような直感的なインターフェースで、業界や職種に特化したAIエージェントを即座にビジネスに導入が可能です。

Breeze アシスタント / カスタムアシスタント:強化されたAIコンパニオン

Breezeのミーティング分析画面の例
出典:HubSpot

「Breezeアシスタント」(旧称:Breeze Copilot)は、CRMデータとビジネスの背景情報を理解するAIパートナーです。深い洞察力と高度な連携機能を兼ね備え、移動中でも常に利用可能です。顧客、取引、業務プロセスを理解し、HubSpotで寄り添いながら日々の業務を支えるAIアシスタントが、特定タスクに特化したサポートや専門知識を提供します。カスタムアシスタントは、企業ごとのニーズに合わせて設計された専門特化型のAIエキスパート。これまでのCopilotで指摘されていた品質・信頼性の課題を一から見直し、全く新しい体験として再構築されています。

データエージェント:顧客リサーチ自動化

データエージェントのスマートプロパティー画面
出典:HubSpot

顧客関連データについての調査およびユーザーからの質問への回答を行う新規AIエージェントです。「この見込み客の中でどの企業が自社の競合製品を利用しているか」「決裁者は誰か」「直近のニュースは何か」といった自由な質問に、CRM・会話ログ・ドキュメント・Webを横断検索して根拠付きで即座に回答します。

Data Hub(旧Operations Hub)

Data Hub - Unified Data の画面例
出典:HubSpot

従来のOperations Hubから大幅に進化したData Hubは、企業が抱える「データの分散と品質問題」を根本的に解決する新しいハブです。パワフルなエンジンはそのままに、より親しみやすいインターフェースとAI搭載機能により、コーディングの知識がなくても誰でもデータの管理、クリーニング、活用ができるようになりました。

主要機能:

  • Data Sync: 主要SaaSとの双方向自動連携
  • Data Quality Overview: データ品質を常時監視・半自動修復
  • Data Studio: 探索・可視化・共有を高速化
  • Automation: Marketing/Sales/Service/Commerceへの即配信
  • 重複検出・マージ: 自動的にデータの整合性を保持
  • 品質アラート: リアルタイムでのデータ品質監視

Data Hubの導入により、企業は常に「クリーンで活用可能」な状態を維持できるため、AI・自動化の効果を最大化できます。これまでExcelや外部ツールに依存していた作業が不要になり、情報共有やレポーティングに費やしていた時間を大幅に削減できます。

Smart CRM アップデート

Flexible CRM Views:同じデータを役割別の最適な形で表示

Flexible CRM Views の画面例
出典:HubSpot

新しく追加されたFlexible CRM Viewsでは、同じ顧客データを「表」「カンバンボード」「チャート」「タイムライン」「マップ」など、目的や役割に応じた複数の形式で切り替えて確認できます。営業はボードビューで案件の流れを直感的に管理し、マーケティングはコンバージョン率やキャンペーン成果をチャートで追跡、CSはタイムラインで顧客接点の履歴を一目で把握する、といった使い分けが可能です。

結果として、部門間で「同じデータを見ながら異なる角度で理解する」ことが実現され、意思決定のスピードと精度が大きく向上します。これまでExcelや外部ツールに依存していた作業が不要になり、情報共有やレポーティングに費やしていた時間を削減できるのも大きなポイントです。

CRMデータの自動生成:入力しなくても正しく“育つ”

今回導入されたCRMデータの自動生成機能は、HubSpotが保有する外部データやAIが生成するスマートプロパティ、さらに会話や営業活動から得られるインサイトを自動的にレコードへ反映します。例えば、商談中に出てきたキーワードや決裁者の情報が通話記録から抽出され、自動的に顧客レコードへ追加されるといった具合です。

この仕組みにより、担当者は煩雑なデータ更新から解放され、代わりに「顧客との関係構築」や「収益拡大」といった本質的な業務に集中できます。CRMはもはや“入力されるデータベース”ではなく、“自ら学び続ける顧客プラットフォーム”へ進化しました。

Smart Insights:レポート作成前に重要な変化を自動検知

スマートプロパティのイメージ
出典:HubSpot

多くの企業では、CRMやメール、レポートを照合しながら顧客の状況を判断するのが日常でした。しかし情報の量が膨大である一方、それを“読み解く”作業は人間に任されていたため、重要なシグナルを見逃したり、判断が遅れたりするケースも少なくありませんでした。

Smart Insights(スマートインサイト)は、CRMに蓄積されたあらゆるデータをAIが分析し、「何が重要か」「どんな変化があったか」「次に取るべき行動は何か」を先回りして提示してくれる新機能です。アカウントマネージャーは毎週のレポート作成に数時間を費やす必要がなくなり、代わりにSmart Insightsが生成する要約やアラートから即座に次のアクションに移ることができます。

  • AI Catch Up Cards:顧客の感情や関心の変化を瞬時に把握
  • Smart Digest通知:主要な業績指標や異常値をリアルタイムで通知
  • Column Insights:データ列を右クリックするだけで傾向を解説

これにより、CRMは単なる情報保管庫から「ビジネスのコンパス」として機能するようになり、営業やマーケティングは情報収集よりも実行に時間を使えるようになります。

Marketing Hub

Marketing Hubは、従来の一斉配信型マーケティングから、個別最適化されたパーソナライズ体験を大規模に提供するプラットフォームへと進化しました。HubSpotのカスタマープラットフォーム全体に組み込まれたAI機能により、マーケティングチームは戦略立案と創造的な施策に専念できるようになります。

Audience Segments(旧Lists):動的セグメント機能による精密なターゲティング

動的セグメントの例
出典:HubSpot

従来の静的なセグメント管理から、顧客の行動変化をリアルタイムで追跡し、AIが自動的にセグメントを更新・最適化する動的セグメント機能へと進化しました。これにより、従来の静的な分類では捉えきれなかった微細な顧客の変化を検知し、一人ひとりに最適化されたパーソナライズ体験を大規模に提供できます。

主要機能:

  • Real-time Behavior Tracking: 顧客行動のリアルタイム追跡
  • AI-driven Segmentation: AIによる自動セグメント最適化
  • Dynamic Updates: セグメントの自動更新機能

Personalize:成果につながる体験を構築

セグメントを簡単に展開し、パーソナライズの効果についてオーディエンス別のインサイトを一元的に把握できます。さらに、セグメント有効化ライブラリーを活用すれば、作成したセグメントをシームレスに展開し、パーソナライズ施策の成果を包括的に分析できます。

Marketing Studio:AIとの協働によるキャンペーン制作

Marketing Studio のキャンペーンブリーフ画面
出典:HubSpot

キャンペーンのコンセプト設計からクリエイティブ制作、配信チャネルの選定まで、マーケティングキャンペーンの全工程をAIが包括的に支援します。目標・ターゲット・予算を入力するだけで、AIが実行計画と初稿アセットを自動生成し、チーム間の合意形成時間を大幅に短縮します。

主要機能:

  • Campaign Brief Generator: 目標に基づく実行計画の自動生成
  • Asset Creation: 初稿アセットの自動作成
  • Channel Optimization: 最適配信チャネルの提案
  • Collaborative Canvas: チーム協働のためのビジュアルワークスペース

AIを利用したEメール:個別最適化を施したメール配信

AIメール生成の例
送信最適化の例
出典:HubSpot

従来のメール配信ツールは、ライティング支援や簡易的なパーソナライズにとどまり、本格的な「受信者ごとの体験設計」までは踏み込めませんでした。HubSpotのAIを利用したEメールは、統合CRMを前提としている点が大きな差別化要因です。CRMデータに基づいて、顧客属性・行動・購買意欲に応じたコンテンツを自動生成できるため、一斉配信ではなく“一人ひとりに合った内容”をスケールさせることが可能になりました。

主な機能

  • AI Email Creation:シンプルなプロンプトから完成メールを数分で生成
  • AI Email Template Upload:外部で作ったデザインを自動でHubSpotに変換
  • Dynamic AI Emails:コード不要で、受信者ごとに異なるコンテンツを生成
  • Engagement/Send Time Optimization:AIが開封・反応率を予測し、最適なタイミングを提案
  • AI Email Summary Insights / Anomaly Detection:成果の要点を要約し、異常な動きを検出

Sales Hub

Prospecting Agent:プロアクティブな案件創出

HubSpotのProspecting Agentは、営業チームの見込み客開拓を自動化するAIエージェントです。CRM内のコンタクトを調査し、カスタムのアウトリーチ戦略を作成することで、より質の高いセールスパイプラインの構築を支援します。AIがアウトリーチ後の応答やエンゲージメントデータを監視し、パーソナライズされたメールを自動的に作成することが可能です。異なる製品、ペルソナ、市場に合わせてアプローチをカスタマイズするセリングプロファイルを使用し、営業担当者の時間を大幅に節約します。

主要機能

  • 自動的なターゲットアカウント調査・分析
  • パーソナライズされたアウトリーチメール作成
  • インテントシグナルに基づく最適タイミングでのメッセージ送信
  • セリングプロファイルによるカスタマイズ対応
  • 多言語サポート(ベータ版)
  • 手動・自動の両方でのコンタクト登録機能

Sales Meetings:会話のインサイトを直接業務へ

営業ワークスペースに新しく追加されたミーティングツールは、AIが商談相手の企業情報、過去のやり取り、業界動向を事前分析し、話すべきポイントを自動提案します。Zoom・Teams・Google Meetとの統合により、会議の自動録画・要約機能が提供され、営業担当者は会話に集中できます。重要な情報を見逃すリスクが大幅に軽減され、会議後の振り返りや次のアクションプランの策定が効率化されます。

Conversation-powered Deal Risks:会話から商談リスクを早期発見

AIが顧客と営業担当者の会話の文字起こしを詳細分析し、語調の変化や懸念表明などの微細なシグナルから営業パイプライン上のリスクを早期発見します。決裁者不在、予算未確定、競合優位性の喪失など、従来は見落としがちなリスク要因を自動的に特定します。リスクが検出されると、適切な対策を提案し、営業マネージャーにアラートを送信します。

Commerce Hub

Commerce Hubの見積作成/承認/決済の一連の流れ画面
出典:HubSpot

Commerce Hubに新たに搭載されたAI搭載CPQ(製品構成・価格設定・見積もり作成)機能により、見積作成から承認、電子署名、請求・決済までをSmart CRMと同一基盤で直線化できます。

AI-Powered Quote Creation:コンテキスト理解による見積自動生成

見込み客との会話などのコンテキスト情報に基づいて見積書を自動作成し、営業プロセスを大幅に効率化します。案件情報からAIが数分で見積草案を生成し、カバーレター、エグゼクティブサマリー、送付メールまで自動作成します。

まとめ

HubSpot Fall Spotlight 2025で紹介された新機能は、単なるツールの進化にとどまらず、企業が顧客とつながる仕組みを大きく変えるものです。テーマである「統合」のもと、これまで部門ごとに分かれていたデータや業務を一つにまとめ、AIを活用してよりスムーズで一貫した顧客体験を実現できるようになりました。

マーケティングや営業だけでなく、サービスやオペレーションまで含めた全体の流れを最適化できる点は、多くの企業にとって大きな成長のチャンスとなります。今回の発表をきっかけに、自社の現状を振り返り、次のステップをどう描くかを考える良いタイミングではないでしょうか。私たちも皆様がこれらの新機能を活用しやすいよう、引き続きサポートを提供してまいります。

参照:https://www.hubspot.jp/spotlight

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他業界でのカスタマーコンサルティングと業務改善の経験をもとに、ユーザー視点と業務効率を両立させるアプローチを実践。日本・韓国・中国で国際ビジネスを学び、現在はSazaeシドニー支社にてマーケティングアシスタントのインターンシップに従事。テクノロジーと文化が交差する領域でのブランド体験やUXデザインに関心を持ち、多言語・多文化環境におけるユーザーエンゲージメントの最適化を探求している。