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【参加レポート】ServiceNow World Forum Sydney 2026

【参加レポート】ServiceNow World Forum Sydney 2026

こんにちは、Sazaeです。

少し前の話になりますが、2026年7月30日にシドニーの ICC Sydney で開かれた「ServiceNow World Forum Sydney」に行ってきました。

当日は株式会社シスラボの社長さんとご一緒させていただき、最後はディナーまでご一緒して、とても濃い一日を過ごしました。

イベントから数ヶ月が経ち、日々の業務でAIやシステム導入に携わるなかで「やっぱりあの時感じたことは正しかったな」と腑に落ちる場面が増えてきたので、当時のメモを振り返りながら記事としてまとめておきます。

会場のトーン

ここ数年、こういうイベントに行くと「AIでこんなことができます」という話ばかりでした。

ただ、今年のフォーラムは明らかに空気が違っていました。

セッションのタイトルを見ても、それがよく分かります。

 

「Path to Production: NBN’s Playbook to AI(本番稼働までの道筋)」

「15 Days to AI Value: A Proven AI POC Framework(15日で価値を出すPOCの型)」

「The Road to No-Touch Operations: Separating Vision From Reality(ビジョンと現実を切り分ける)」

 

といった、「作った後、どう回し続けるか」に焦点を当てたものばかりでした。

 

「PoC(実証実験)で試す」フェーズから、「本番環境で責任を持って動かす」フェーズへ完全にシフトしています。

ServiceNow がアピールしていた「AI Control Tower(社内のAIエージェントを一括で管理・監視する仕組み)」も、まさにその流れです。

AIエージェントを1つ作ること自体は、もうそこまで難しくありません。本当に大変なのは、それが社内で数十個、数百個と増えたときに「誰がどこで何を動かしていて、何かあった時にどこで止められるか」をちゃんと管理することです。

印象に残ったセッション

午前中に聞いた 「In the Thick of It: How Australian Firms Transform in the Era of AI」 が、個人的には一番の収穫でした。

Orica、Santos、Deloitte の実務を担っている方々が登壇し、成功事例のショーケースではなく、変革の”渦中”のリアルな話をしてくれるセッションです。

 

印象的だったのは、語られていたボトルネックがほとんど技術の話ではなかったこと。データが揃わない、部門をまたいだ合意が取れない、現場が新しいやり方を信用してくれない、技術以外の部分でプロジェクトは止まる、という点で登壇者の見解が一致していました。

これは私たちが日々のプロジェクトで実感していることそのものです。

ツールは買えばその日から使えますが、業務プロセスと人の合意は買えません。

ここを一緒に走る人がいるかどうかで、導入の成否は本当に変わります。

NinjaOne ブース

Expo フロアでの収穫として、まず NinjaOne のチームとじっくり話せたことを挙げたいです。

Sazae は NinjaOne とのパートナーシップ締結を正式に発表しております。

 

NinjaOne はエンドポイント管理(RMM)の領域で存在感を伸ばしている会社ですが、ちょうどこのフォーラムの直前、7月22日に ServiceNow との連携を発表したばかりのタイミングでした。

内容としては、NinjaOne 側で検知したアラートから ServiceNow のインシデントを自動起票する、端末情報・パッチ適用状況を ServiceNow の CMDB にリアルタイムで流し込む、そしてサービスデスクの担当者が ServiceNow の画面を離れずに端末の状態確認やリモート操作までできる、というものです。

 

地味に聞こえるかもしれませんが、この「画面を行き来しなくていい」という一点が現場では効きます。

ITSM を導入したお客様から一番よく聞く不満が、「結局ツールが増えただけで、担当者は今も3つの画面を開いている」というものだからです。

CMDB が実態とズレたまま放置される、という古典的な問題にも正面から効いてきます。

 

担当の方と、オーストラリアの中堅企業でこの構成がどこまで現実的か、という具体的な話ができたのは大きな収穫でした。

Boomi ブース

そしてもう一社、Boomi。

Sazae としても取り扱っているプラットフォームなので、ブースでは腰を据えて話し込んでしまいました。

先日の記事でも書いた通り、10月には東京で開催された「Boomi World Tour Tokyo 2026」にも参加してきました。

記事:【参加レポート】Boomi World Tour 2026 Tokyo

 

Boomi は今年5月、ServiceNow の Workflow Data Network Passport Program のローンチパートナーとなり、ServiceNow の Workflow Data Fabric に外部システムのデータを流し込む役割を担うことになりました。

Boomi Data Hub で整えたマスターデータを ServiceNow のワークフローや AI エージェントに供給する、あるいは Zero Copy でレガシー環境のデータを移さずに活用するといった構成です。

 

ブースの掲示にあった 「Put Data in Motion / Integrate the Entire Enterprise」 というコピーが、今回のフォーラム全体の裏テーマを言い当てていたように思います。

AIがいくら賢くても、見に行くデータが古かったり、あちこちの部署に散らばったままだったりしたら、まともな答えは返ってきません。

「AIがうまくいくかどうかは、モデルの賢さより、必要なデータがちゃんと届いているかで決まる」と改めて実感しました。

一日の締めくくりに

夕方まで会場を回った後は、シスラボの社長さんとディナーへ。

こういうカンファレンスは、実はセッションそのものより、その後の食事の席で聞ける話のほうが濃かったりします。

日本とオーストラリアで、AI導入に対する経営層の温度感がどう違うか。人材の採り方・育て方。同じ課題に別の角度から取り組んでいる経営者と、資料に載らない話をゆっくり交わせた時間は、その日一番の収穫だったかもしれません。

ご一緒いただき、ありがとうございました。

Sazae として持ち帰ったこと

一日を通して、私たちがお客様に対して果たすべき役割が、より明確になりました。

 

・AIエージェントは、作るより「統制する」フェーズに入っている

増えた後をどう管理するかまで含めて設計しなければ、数年後に負債になります。

 

・止まる原因は技術ではなく、業務プロセスと合意形成にある

ここに伴走できることが、私たちのようなブティック型のチームの存在価値だと考えています。

 

・データ基盤への投資は、AI投資と切り離せない

ServiceNow、Boomi、NinjaOneそれぞれ得意領域は違いますが、「必要なデータを、必要な場所に、正しい状態で届ける」という一点で確実につながってきています。

 

Sazae は ServiceNow、Boomi をはじめとする各プラットフォームの導入・運用をご支援しています。

 

「AIを試してはみたものの、次の一歩が見えない」

「ツールは入れたが現場が変わらない」

 

といったご相談がありましたら、ぜひお気軽にお声がけください。

オーストラリア&日本&ベトナムでITコンサル/SIer事業を行うSazae Pty Ltd : Founder/CEO 大学卒業後、関西のIT企業でシステム開発とサーバー運営を担当。2009年からはシドニーに拠点を移し、クーポン、モバイルペイメントアプリ、法律関連、教育関連のスタートアップに従事。日本、オーストラリアなどのグローバルなITプロジェクトで、エンジニアやマネージャーとして活躍。 現在は、オーストラリア、日本、ベトナムでITコンサルティング、システム開発、外資系SaaS導入などを手がける「Sazae」という会社の創業者兼経営者。また、「Innovation Dojo」という、起業家の人材育成やスタートアップのインキュベーション、イノベーション関連の事業開発と資金調達をサポートする会社の共同創業者も務めている。 IT技術者などのプロフェッショナルな方々の情報交換・親睦を目的として、JAIT(Japan Australia IT)も設立し、様々国でイベントを開催している。 ITとビジネスを融合し、クライアント企業の事業をより良くしていくことに情熱を持っています。今後は、海外から日本をより良くしていくため、そして日本の人々に世界で活躍してもらうために、日々努力を重ねています。